ハナから一通の手紙


 平成二十八年二月二十二日

昨夜、一年前に別れたハナが夢の中で「ただいま」と云って元気な姿で我が家に帰ってきました。 この時、ハナが一通の手紙をくわえていたのでこの手紙を受け取り、「ハナ お帰り!」と声をかけたのですが、振り向きもせず、亡くなる前の寂しそうな表情で公園のベンチの背もたれに両手を伸ばし、腹をつけて誰かを待っているように遠くを見つめていました。そして、しばらくしてから、その姿が天に向かって静かに消え去ってしまいました。

ハナからのこの手紙には、皆様へぜひ伝えてほしいとの生前、可愛がっていただいた感謝の気持ちが込められていました。その書かれていた内容を下記に載せてあります。


残念ながら皆様とつらく悲しい永遠のお別れをして、ちょうど一年が経ちました。 皆様とお逢いしてから五年の短い歳月でしたが本当に楽しい日々を過ごせ、幸せな一生を送らせてもらい、ありがとうございました。
もっと、もっと、長く、皆様と一緒に過ごせたらよかったのですが・・・・・

最期の時も皆様と、もうお逢いできないと思うと寂しく切ない気持ちをどうしても抑えられませんでしたが、それでもこの時に、ご心配をおかけ、そして 大変お世話になり、皆様のやさしい愛を一身に受けられ、満ち足りた穏やかな気持ちで、この世から天国へ旅立てました。

私は今、天国の前の広場(虹の橋)でタローや他の犬たちと元気に走り回っています。
また、ここから皆様が皆様の愛犬と共に家の前の公園で楽しく遊んでいる様子を見て一緒に遊んだ頃を懐かしく、できれば、もう一度仲間に入り走り回ってみたいといつも思っています。
これからは、再び皆様と「虹の橋」でお逢いし共に過ごせる日を楽しみに、
「虹の橋」のそばで、いつまでも待ち続けています。
最後になってしまいましたが、皆様と皆様の愛犬のご多幸を天国から心より お祈りしています。

さようなら

「虹の橋」について

天国には「虹の橋」と呼ばれる場所があります。
飼い主にこよなく愛されていた動物は全て、この「虹の橋」に集まります。
誰もが皆、走り回ったり遊んだり出来るよう、ここには草原や小高い丘があります。
食べ物も飲み水も豊富にあり、太陽が暖かく照り付けてとっても心地よい場所です。
病気や老いで弱っていた動物たちは、全て元の元気な体に戻ります。
傷ついたり体が不自由だった動物たちも、全て健康で活力に満ちた体を取り戻します。
それはちょうど、飼い主がペットの元気だった頃を懐かしむときの姿です。
動物たちは皆満ち足りており、何の不満もありません。
でも、たった一つだけ、気がかりなことがあります。
それは一緒に「虹の橋」に連れてくることの出来なかった、 飼い主であるあなたのことです。
動物たちはみんな仲良く集まってはしゃぎ回りますが、
そのうち、ふと足を止めて遠くを見つめるときが来るでしょう。
やがて瞳がらんらんと輝き、体が震えだしたかと思うと、
突然仲間のもとから離れて緑の草原を駆け抜け、飛ぶように走りに走るのです。
そう、あなたを見つけたのです。
特別な感情で結ばれたあなたと友達は、とうとうこの場所で再会を果たし、
もう二度と別れることのない新たな出会いに胸を躍らせます。
友達はあなたに飛びつきあなたの顔を嬉しさの余り鳴きながら舐めまわし、
あなたも懐かしい友達の体を撫でて長いこと見ることの無かったその瞳を見つめます。
片時も忘れることの無かったその瞳を。 そうして、あなたと友達は、共に「虹の橋」を渡るのです。

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